考察36 創造論と進化論
「宗教に入っている人の考えが、どうもよくわからないんだけど、どうしたらいいかな?」
「それ、俺に聞いてる?」
「ここには君と私しかいないけど」
「うーん、俺も無宗教だからわかんないなぁ。どうして必要なの?」
「友達が、その宗教の子で、なんか礼拝とかあるからって、遊びに来れなくなっちゃってさ。そんなに大事なのかなって」
「宗教自体が大事なんじゃなくて、その律を守る自分っていうのが大事なんじゃない?話の感じからするとたぶんちっさい頃から、
その礼拝を続けてきたんだろうし」
「うーん、それはわかるんだけどさ、一回休むのがそんなにだめな事なのかどうかがわかんなくて。
次行けば良いとかいう問題じゃないってことでしょ?」
「優先順位の問題だよね。その子にとっては礼拝をするってことが絶対順位にいるってことなんだと思うよ。
あぁ、そうか、相対的ではないから、それでわかんなくなってるのか」
「うん、そんなところ。何が彼女をそうさせるんだろ、と思っちゃってさ」
「もし仮に神様がいるとして、その神様が何か願い事をかなえてくれるような存在なら、将来的なことを考えると、
その礼拝の優先順位って案外高くなるよね」
「確かに。信じれば信じるほど高くはなるね。でもそんな奇跡みたいなこと起きるかな?」
「神様だからね。基本は万能者なんじゃない?少なくとも人間よりは高次な存在だろうし、奇跡くらい起こせるでしょ」
「簡単に言うね」
「俺は無宗教だからね」
「でもさ、救いを求める先が神様なら、それの問題が起こる前に解決してくれたらいいのに」
「問題がずっと起きないってことは、神様を否定してるってことだと思うよ?」
「そっか、じゃあ神様は問題が起こるのを待ってるってこと?」
「神様に道徳を持ち込むのはやめてあげたら?人と神様のバランスがそんな風にしてでも、成り立ってるんならいいんじゃない?」
「崇める対象があったほうが楽ってこと?」
「助けてくれる存在はやっぱり頼もしいでしょ」
「神様かぁ」
「創造論か、進化論か。神様がいるってことは創造論なんだろうけど、その神様はどうやって出来たんだろうね?」